ニャースケに会いたい

寒い2月ももうすぐ終わりの頃に店の裏にガリガリに痩せた姿でやってきた。
あまりに不憫でエサを与えた。店にあったマグロの刺し身投げてあげたらパッと取って逃げた。


次の日も来た。マグロもうちょっと脂の乗ってるところを食べさせてやろう、とか。プレーンのコーンフレークを与えてみた。最初は食べたけど味がないのか食べなくなった。そこでいつかテレビで観た大好物であるらしい生クリームをかけてみた。結果もう「猫、まっしぐら。」
数回与えているうちに我が家にいる愛犬マシューのドッグフードを与えることにした。ずっとじゃなければ問題無さそう。

まちの獣医さんである、ゆみ先生に相談した。店の裏に来ていたところを見せた。「これはサクラネコだね。耳が花びらのようにカットされてるでしょう、去勢手術が施されてるね。左右でオス・メスが分かるんだよ。」と教えてくれた。カットの位置からオス(右耳)だと判断。数日は夜な夜な店の裏に現れていた。それから間もなくゆみ先生が猫のために。と病院にあったキャットフードを届けてくださった。次来たら封を開け与えよう、横に添えた水も新しく替えて。


始めて来たときは濡れて汚くてガリガリでもう、ニャーニャー鳴くしかできないような状態だった。だから「ニャースケ」。しばらく店の裏の扉に張り付いていて、強く扉を開けると当たるような所に座っていた。撫でられるほどに人懐こい猫だった。オスは割とそういう性格らしい。
しかしある時からパタリと来なくなった。町は段々と春だと思えるほどに暖かくなってきていた。見た目も薄汚かった感じも少しなくなって、まだガリガリだったけど目には正気が生まれているように見えたかな。野良猫オスの行動範囲は周囲2~3キロほどだそうだ。少し元気になってあの人懐こさで何処か飼ってもらえてるのかな?なんて想像してる。そうだったらイイな。もしまた来たらキャットフードの封開けよう!

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