毎年12月の第一日曜日朝8時は「山の家水源タンク掃除の日」である。
山の家の水道は湧き水だ。山の中腹から湧き出る水を集めてタンクに溜めてそれを各家(7軒)にパイプで引いてある。数十年前から使われている物で、先人の知恵がそこにはある。タンクのある場所は山の急斜面の場所にあるから、そこに行くだけで息が切れる。もうゼーゼーである。

全部で4つのマスで構成されていて最初の2つで湧き出る水を集めている。砂などは底に落ちて上澄みが3つ目のタンクに集まって、更にその上澄みがコンクリートのメインタンクに集まる仕組み。そのメインタンクの中の上澄みが各家に届く仕組みだ。昔の人はよく考えたものだ。フィルターなどは無く、簡単な金網程度。タンク満タンになるとオーバーフローして常に新鮮な水が貯められている。今は廃屋になったりして使っていない家が4軒あるので、実際は3軒が使用してる。そのうちの1軒だけが実際に住んでる家だ。街から移住して来た若い家族が住んでいる。もう越して来て5年だそうだ。

この集落で生まれ育った人と、その子供世代である僕と移住者とで掃除してる。大昔は賑やかだったこの場所もすっかり過疎化。茅葺きの家は朽ちて屋根が落ちた。
実はここ2、3年ほど一つの家の配管から水が漏れていてタンクからの吐出量を抑える形で維持してた。だから水道の勢いも弱かったけど、今年の夏にやっと業者に来てもらい穴掘りして腐食しない配管に変えてもらった。心配が解消されて嬉しい。ココに住んでる家族も安心だ。1人のリーダーのオジサンがマメな人で熱心だ。この人にかかっている。僕も毎年土曜日の忙しい営業をこなして少しだけ寝てから行く状態でキツいけど、美味しい水のためなのだ。ここの水で炊く白米が美味しい。薪ストーブでお湯を沸かしてコーヒー淹れて飲んで帰って来た。まさに自然の恵み、この場所は僕と自然との接点なのだ。
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